Julia Bullock
2014
声楽
Soprano
First Prize
生年:1987年(ミズーリ州St .Louis)
Julia Bullockは2014年ナウムブルク声楽賞の受賞者で、最近、2026年Cincinnati May Festivalのディレクターに任命されました。2024年Grammy賞の最優秀クラシック・ソロ・ヴォーカル・アルバム賞を、指揮者Christian Reifとともに受賞しました。対象作品は、Philharmonia Orchestraと録音したWalking in the Darkです。「まるで魂から直接歌っているかのように、強烈で真実味のある感情を伝える」(Opera News)アメリカのクラシック歌手と評されるJulia Bullockは、「現代に欠かせないソプラノ」(Los Angeles Times)です。多彩な芸術性、探究心に満ちた知性、圧倒的な舞台での存在感を併せ持ち、世界の一流芸術機関の舞台やコンサートに主役として出演してきました。革新的なキュレーターとしても求められ、Esa-Pekka Salonenのコラボレーション・パートナー、ロンドンのGuildhall Schoolの2020–22年アーティスト・イン・レジデンス、San Francisco Symphonyの2019-20年アーティスト・イン・レジデンス、ニューヨークのMetropolitan Museum of Artの2018-19年アーティスト・イン・レジデンスなどを務めてきました。社会的意識と行動主義を示す重要な声として、「若く、大きな成功を収め、政治に関わる」存在であり、「歌う一音一音に優雅さと切迫感を吹き込み、その演奏を今この瞬間のものにすると同時に、驚くほど時代を超えたものにする力」を持っています(Vanity Fair)。
2025年春にはThe METに再登場し、John Adamsの『Antony and Cleopatra』の同劇場初演でGerald Finleyと共演しました。また、バルセロナのGran Teatre del Liceuで行われた同作のヨーロッパ初演により、同劇場デビューとタイトルロール・デビューを果たしました。過去シーズンには、Katie Mitchell演出のHandelのTheodoraでJoyce DiDonatoと共演し、Teatro Real Madridでタイトルロールを再び演じました。世界の主要なオーケストラが好んで招く歌手として、ロンドンのOrchestra of the Age of Enlightenmentと、ニューヨークの92NY、ロンドンのSouthbank Centre、その他アメリカとイギリスの主要会場で、バロック作品のみのコンサートを行いました。
2023-24シーズンには、オペラでいくつもの「初」を経験しました。John AdamsとPeter SellarsのオラトリオEl NiñoのMarin Alsop指揮による新演出で、Metropolitan Operaにデビューしました。バルセロナのGran Teatre del Liceuでのデビューでは、AdamsのオペラAntony & Cleopatraのヨーロッパ初演でGerald Finleyと共演しました。その後、Dutch National Operaの世界初演The Shell Trialで主役を務めました。この気候をテーマとするオペラは、Pulitzer賞受賞作曲家Ellen Reid、台本作家Roxie Perkins、音楽監督Manoj Kampsと共同で創作したものです。また、プロジェクトNativity Reconsidered: El Niñoを上演しました。これは原作El Niñoの本質を凝縮した版で、新たな編曲も担当した指揮者Christian Reifとともに、Cincinnati Symphonyで、また自身が創設の中核メンバーであるAmerican Modern Opera Company(AMOC)との全米ツアーで披露しました。続くシーズンには、ロンドンのPhilharmonia OrchestraのFeatured Artistとしてレジデンシーを務め、Philadelphia、Baltimore、Providence、ニューヨークのPark Avenue Armoryでリサイタルを行います。
これまで、多くの重要なオペラ劇場でデビューを飾っています。ロンドンのRoyal Opera HouseではHandelのTheodora、 San Francisco OperaではJohn AdamsのGirls of the Golden Westの世界初演で主役のDame Shirleyを演じました。Dutch National Operaでは同作のヨーロッパ初演、Santa Fe OperaではAdamsのDoctor AtomicのKitty Oppenheimer役、 Festival d’Aix-en-ProvenceではStravinskyのThe Rake’s ProgressのAnne Trulove役でデビュー。English National Opera、スペインのTeatro Real、ロシアのPerm Opera HouseとBolshoi Theatreでは、PurcellのThe Indian Queenのタイトルロールを演じました。Michel van der AaのUploadをDutch National Operaで初演し、Bregenzer FestspieleとニューヨークのPark Avenue Armoryでも再演しました。また、Opera Theatre of Saint LouisによるTerence BlanchardのFire Shut Up in My Bonesの世界初演にも参加しました。幅広いレパートリーには、MassenetのCendrillon、RavelのL’enfant et les sortilèges、JanáčekのThe Cunning Little Vixenの各タイトルロール、MozartのLe nozze di FigaroのSusanna、The Magic FluteのPaminaも含まれます。Paminaは2023年Edinburgh FestivalでMaxim Emelyanychevの指揮により歌い、Peter Brook演出の舞台による南米ツアーや、Gustavo Dudamel指揮Los Angeles Philharmonicとの演奏会でも披露しました。
コンサートホールでも際立った活動を行っています。2023年夏、TanglewoodでBoston Symphony OrchestraとJessie MontgomeryのFive Freedom Songsを演奏しました。この作品の制作に協力し、アイダホのSun Valley Music Festivalで初演した後、 Virginia Arts Festival、Kansas City Symphony、そしてDonald Runniclesの指揮によるGrand Teton Music Festivalで演奏していました。ドイツでは、Manfred Honeck指揮Bavarian Radio Symphony Orchestra & Chorus、Alan Gilbert指揮NDR Elbphilharmonie Orchestraにそれぞれ重要なデビューを果たしました。Dudamel指揮L.A. Philharmonicとは、2019-20シーズンの開幕公演でBarberのKnoxville: Summer of 1915を演奏し、同作をSaint Paul Chamber Orchestraへのデビューと、Deutsches Symphonie-Orchester Berlinとの共演でも取り上げました。2019-20年のSan Francisco Symphonyでのレジデンシーの一環として、同楽団とEsa-Pekka SalonenによりRavelのTrois poèmes de Stéphane MallarméとBrittenのLes Illuminationsを演奏しました。後者はMilwaukee Symphony、Indianapolis Symphony、Philharmonia Orchestraへのデビュー曲でもありました。Andris Nelsonsとともに、Boston Symphonyの2017-18シーズン開幕を飾るBernstein生誕100周年ガラに主要歌手として出演。また、Michael Tilson Thomas指揮San Francisco Symphony、Hollywood BowlでのDudamel指揮L.A. Philharmonic、日本のNHK SymphonyとPaavo Järvi、そしてGilbertが指揮するVail、Santa Barbara、ニューヨーク市内の複数の公園でのNew York Philharmonicの野外公演へのデビューでも、Bernsteinの音楽を演奏しました。Sir Simon Rattleの招きにより、Berlin PhilharmonicのKarajan AcademyにはKaija SaariahoのLa Passion de Simoneで、London Symphony OrchestraにはMaurice Délageの連作歌曲Quatre poèmes hindousでデビューしました。そのほかの重要な公演には、AdamsのEl Niñoを、作曲者自身の指揮によるL.A. Philharmonicと演奏したものがあります。
2014年に初の全米リサイタル・ツアーを行い、ワシントンD.C.のKennedy Centerでのデビューで締めくくりました。以来、充実したソロ活動を続けています。Messiaenの連作歌曲Harawiを舞台化したAMOCのプロダクションをFestival d’Aix-en-Provenceで初演し、ベルギーとドイツへ巡演しました。2019年にはピアニストCédric TiberghienとZauberland(「魔法の国」)のアメリカ、イギリス、ベルギー、ロシア初演を行いました。Katie Mitchell演出によるこの新作は、SchumannのDichterliebeと、シリア難民危機を背景に、故郷を追われることと悲嘆を描いたBernard FoccroulleとMartin Crimpの新作歌曲を対置するものです。これに先立つ2018年の注目を集めた北米リサイタル・ツアーでは、各都市でワークショップと地元の学校での演奏を行い、ニューヨークのCarnegie Hall、Philadelphia Chamber Music Society、UC BerkeleyのCal Performances、Boston's Celebrity Seriesなどに出演しました。そのほか、2021年のWigmore Hallリサイタル・デビュー、2017年のDisney Hallデビュー、2016年のMostly MozartとOjai Musicの両音楽祭への出演も特筆されます。後者ではRoomful of Teeth、International Contemporary Ensemble(ICE)と協働し、Peter SellarsによるLa Passion de Simoneの新演出およびJosephine Baker: A Portraitの世界初演に参加しました。
Josephine Baker: A Portraitは、Perle Noire: Meditations for Joséphineの原型となった作品です。Bakerの生涯を通じ、人種差別、女性蔑視、そして自らの力を取り戻す手段としてのパフォーマンスを探究するPerle Noireは、MacArthur「Genius」フェローのPeter Sellars、Tyshawn Sorey、Claudia Rankineと共同でBullockが構想しました。Dutch National Opera、HarvardのOBERON、ニューヨークのMetropolitan Museum of Artで上演しました。同美術館では、アーティスト・イン・レジデンスとして企画した、思索を促す5つのプログラムの一つとなりました。美術館の大階段で初めて行われた全編上演となったPerle Noireに加え、Langston Hughesの詩と、それに付された音楽による公演も企画し、クラリネット奏者Anthony McGillやYoung People’s Chorus of NYCをはじめ、さまざまな歌手・器楽奏者が出演しました。また、CloistersでのEl Niñoの新たな室内楽編曲版(現在の題名はNativity Reconsidered)、AMOCによるHans Werner HenzeのEl Cimarrón(「逃亡奴隷」)、そしてHistory’s Persistent Voiceを企画しました。最後のプログラムは、アメリカで奴隷とされた人々の歌と、アフリカ系アメリカ人女性による新作を組み合わせ、Courtney Bryan、Tania León、Allison Loggins-Hull、Jessie MontgomeryへのMetの委嘱作品の世界初演も含むものでした。History’s Persistent Voiceは、黒人女性作曲家への委嘱を継続し、黒人の視覚芸術家や詩人の作品も紹介するプロジェクトへと発展しました。その拡張版は2022年にSan Francisco Symphonyで初演され、San Francisco Chronicleから「音楽の美と道徳的な力」を称賛されました。
拡大を続けるディスコグラフィーには、さまざまな高評価の録音があり、Nonesuchレーベルからのソロ・デビュー・アルバムWalking in the Darkもその一つです。Knoxville: Summer of 1915とEl Niñoのアリア、Oscar Brown Jr.、Connie Converse、Sandy Denny、Billy Taylorの歌曲、Hall Johnsonの編曲による伝承霊歌を組み合わせたこの録音は、Opus Klassik賞を受賞し、New York Timesの「Best Classical Music Tracks of 2022」に選ばれ、NPRの「Best Albums of 2022」20選にも入りました。 NPRは「輝くアルバムであり、独自の基準でキャリアを形づくる芸術家を私たちに紹介してくれる」と評しました。Bullockは、Nicholas Britellが作曲したAmazon Prime Videoの2021年作品The Underground Railroadのサウンドトラックにも参加しています。Rattle指揮London Symphony OrchestraとのQuatre poèmes hindousはDVDにライヴ収録されました。同様に、Sellarsの演出でタイトルロールを歌った 作品The Indian QueenもSony ClassicalのDVDに収められています。New York Timesの「25 Best Musical Tracks of 2018」に選ばれたAdamsのDoctor Atomicでの主要役の歌唱は、作曲者がBBC Symphony Orchestraを指揮した録音に収められ、2018年Grammy賞の最優秀オペラ録音賞にノミネートされました。これは、Tilson Thomas指揮San Francisco SymphonyとのWest Side Storyのライヴ録音が2014年Grammy賞の最優秀ミュージカル・シアター・アルバム賞にノミネートされたのに続く、2度目のGrammy候補録音への参加でした。
そのほか、Dallas Symphony Orchestra Award of Excellence、Sphinx Medal of Excellence、Leonore Annenberg Arts Fellowship、Shoshana FoundationのRichard F. Gold Grant、Lincoln CenterのMartin E. Segal Award、2012年Young Concert Artists International Auditions第1位などの栄誉があります。Musical Americaの2021年Artists of the Year、WQXRの2019年注目演奏家「19 for 19」、Opera Newsの「18 to Watch in 2018-19」に選ばれました。New York Timesは、2020年、2018年、2016年に「Best Classical Music」のリストに取り上げ、2018年にはLos Angeles Times、 Washington Post、Philadelphia Inquirerの同様のリストにも選ばれました。
芸術における公平性、包摂、修復的正義を扱うパネルの登壇者としても高い需要があります。Long Beach Opera、Los Angeles Opera、Music Academy of the West(現Music Academy)、Sphinx Organizationなどが主催するライブ配信の対話にも参加しました。訪れる各都市で地域社会との交流を図るほか、Turn The Spotlightの諮問委員を務めています。この財団は、舞台の上でも裏方でも、歴史的に制度から疎外されてきた人々を力づけ、芸術におけるより公平な未来を築くことを目指しています。
ミズーリ州St. Louis生まれで、高校在学中にOpera Theatre of Saint Louisの若手養成プログラムに参加しました。Eastman School of Musicで学士号、Bard CollegeのGraduate Vocal Arts Programで修士号、ニューヨークのJuilliard Schoolでアーティスト・ディプロマを取得しました。Juilliardで初めて夫となる指揮者Christian Reifと出会い、現在は夫妻でミュンヘンに暮らしています。2022年秋に第1子を迎えました。
批評「The Artistry of the Soprano Julia Bullock」、The NEW YORKER、Rusell Platt、2015年11月16日
「舞台上で真のオーラを放つことのできるクラシック歌手は稀である。先週火曜日、Metropolitan Museumでナウムブルク財団のリサイタルを行った若いソプラノJulia Bullockには、間違いなくそれがある。彼女は素晴らしいキャリアを歩み始めている。」
コンクール
2014年 声楽コンクール
First Prize

